幾条もの丘陵が走るまち、小清水町。
丘陵地の間を縫うように整備された碁盤の目の道路を走ると、雄大な丘の風景と規則正しく並ぶ防風林の合間に、人びとの生活を垣間見ることができます。
春の雪解けを前に、畑の作業は動き出します。
冬の間、雪の中でじっと春を待ちわびていた秋まきの小麦は、露わになった地面から春の日差しを受けて一斉に芽を出し始めます。
まだ斜里岳の冠雪が残る頃、一斉に緑が芽吹きはじめ、みずみずしい緑の日差しがまちじゅうに柔らかく注ぎます。
放牧された若い牛たちが、のんびりと草を食べています。
食物の成長に一番大切な季節。
日に日に成長する畑の野菜たちは、どこまでも続くなだらかな緑の畝を作り出し、豊かな実りを予感させます。
麦の穂が色づき黄金色に波打つとき、収穫の音が響き渡ります。
つぎつぎと刈り取られる小麦やビートなどの作物は、選果場や加工場に運ばれます。
まちじゅうが雪にすっぽりと覆われると、静寂に包まれた冬が到来します。
オホーツク海に流氷が接岸する厳冬期、冬の凄烈な美しさは一団と迫力を増します。