原生花園は、実は花だけを目当てに立ち寄るには惜しい場所。お目当ての花の季節をもし逃してしまっても、絶景探しの散策を始めてみましょう。
◆ 360度の展望で、オホーツク海を見渡す
オホーツク海とラムサール条約登録湿地 濤沸湖(とうふつこ)に挟まれた小清水原生花園の正体は、なだらかな起伏が続く8kmにも渡る砂丘。JR原生花園駅のそばに遊歩道が設けられており、その遊歩道を少し登ると海岸線の中で一番小高い「天覧ヶ丘」展望台になっています。 天覧ヶ丘からは知床から網走までの360度の展望が開け、天気の良い日には目の前に斜里岳の美しい山並みが広がります。
網走方面・濤沸湖側も見渡せます。
◆ 朝日と夕日の天覧ヶ丘
360度の展望が開ける天覧ヶ丘は、365日美しい朝日と夕日が見える場所でもあります。(積雪期間は遊歩道・駐車場は除雪されていないため、立ち入りの際はご注意ください。)道東に位置する小清水町は、6月~7月は3時台の夜明けになり、日没は7時ごろ。9月頃になると夜明けが5時台、日没が5時台になります。 春の夜明け(知床連山から登る朝日)
夏の日没(網走能取岬方面に沈む夕日)
暦 | 日の出 | 日の入り |
立夏(2017年5月5日) | 4:09 | 18:30 |
夏至(2017年6月21日) | 3:40 | 19:09 |
大暑(2017年7月23日) | 4:01 | 18:56 |
秋分(2017年9月23日) | 5:10 | 17:19 |
霜降(2017年10月23日) | 5:47 | 16:27 |
◆ 心地よい海風に身を任してみる
小清水原生花園は、海のすぐそばにも遊歩道が整備されているので、心地の良い海風と潮の香をかぎながら散策することができます。 知床連山の最高峰、羅臼岳から知床岬までが一望できます。海沿いの遊歩道の終点から浜辺に降りることができます。
海岸の砂を手に取ってみると、ガラス質(石英)が多く混ざる砂がキラキラと輝いています。歩いただけでは少し分かりにくいのですが、原生花園の海岸はこのガラス質が多く含まれているので、「鳴き砂」に認定されています。
◆ 雄大な斜里岳を背に立つ
ひととおりオホーツク海側を散策したら、今度は天覧ヶ丘の向かい側、濤沸湖に足を向けてみましょう。昨年できた木道からは、目の前に雄大な斜里岳が広がります。日本百名山に名を連ねる斜里岳は、高さ1,457m。その山容の美しさから、「オホーツク富士」「斜里富士」とも親しまれてきました。 小清水町の夏を彩る原生花園ですが、絶景を楽しむには、知床連山や斜里岳に残雪が残る春(4月~5月)やこれから空気が澄んでくる秋(9月~10月)もお勧めです。
国道244号沿い、知床方面や網走方面へのドライブの休憩地にも絶好の場所ですので、気分転換にぜひお立ち寄りください。