北海道の東側は、5月に入るとようやく桜が咲き新緑が芽吹きはじめます。ポカポカ陽気の春は、外で気持ちのよい空気を吸いながら野鳥を観察するのにぴったりな季節。バードウォッチングは双眼鏡さえあれば、どこでも誰でも気軽に楽しめます。さぁ、新緑眩しい屋外へ、足取り軽く出かけてみましょう。◆ 春は1年で一番野鳥が観察しやすい!?
春から夏の季節は多くの野鳥たちにとって、繁殖のシーズンです。自分の子孫を残すため、つがいの相手をみつけないといけません。そして、オスが「自分を選んで!」とメスに必死にアピールするこの季節は、実は初心者でも鳥の姿を見つけやすい季節なのです。
アピールの仕方は鳥の種類のよっていろいろありますが、「さえずり」は重要な役割を果たします。
オスは「僕はこんなにきれいな声で鳴くことができるんだよ」とメスに猛アピールします。(美しいさえずりが人気のキビタキのオス。撮影場所:濤沸湖畔)
さえずりには、他にも縄張り宣言の意味合いもあります。(普段は藪の中に住んでいるウグイスも、繁殖期には木の上にとまって胸をいっぱい膨らませてさえずります。撮影場所:藻琴山)
さえずり中の鳥は、「ソングポスト」と呼ばれる定位置で一定時間さえずる鳥もいます。鳴き声が聞こえたら、その方向にそっと体を向けて、姿を探してみましょう。慌てて動くと逃げてしまいます。(目立つ場所に止まって大音量で鳴くコヨシキリ。撮影場所:濤沸湖畔)
◆ 野鳥はどこに見にいけばいい?
理想的なのは、気軽に足を運ぶことができる近所の公園などです。散歩気分で出かけて、鳥たちの鳴き声に耳を澄ませてみましょう。小清水町周辺で初心者の方にお勧めなのは、春から夏にかけての「小清水原生花園」。
天然の花畑である原生花園の中では、たくさんの小鳥たちが求愛・繁殖活動をしています。
小清水原生花園の木に止まってさえずるノゴマ(撮影場所:小清水原生花園)
小清水原生花園の遊歩道は背の高い木があまりないので、目線の高さに近いところで野鳥を観察しやすいのが特徴です。(花の上でさえずるシマセンニュウ。撮影場所:小清水原生花園)
7月~8月になると、遊歩道の牧柵の上で遊ぶ幼鳥の姿を見ることもできます。(ノビタキの幼鳥たち。撮影場所:小清水原生花園)
◆ お試しでバードウォッチングしてみたい方には?
バードウォッチングに必要なのは、双眼鏡だけ。とはいえ安いものでも数千円しますので、お試しでやってみたいという方には、小清水町観光協会ビジターセンターでは、双眼鏡レンタル(3時間500円)も行っています。
てっとりばやく野鳥観察のコツを知りたい!という方や、鳥の名前が分からないという方にはガイドツアーも。
夏の間は小清水原生花園で気軽にバードウォッチングできるショートツアーも開催中です。
好評発売中のバードウォッチング入門書「TORITABI FIELD NOTE(トリタビ・フィールドノート)」では、野鳥観察のコツや小清水町の主な探鳥スポットをご紹介していますので、こちらもバードウォッチングのお供にぴったりですよ!
バードウォッチングに出かける際は、こちらの心得も良かったら読んでみてくださいね。
(TORITABI FIELD NOTE(トリタビ・フィールドノート)P02より)
