◆ 8合目までは快適なドライブで
小清水市街から藻琴山へのアクセスは道道587号で約25km。およそ30分で藻琴山の中腹725m付近にあるレストハウス「ハイランド小清水725」に到着します。藻琴山の登山口はその駐車場から設けられています。空を近く感じるハイランド小清水725
頂上まではおよそ2km。ゆっくり歩いても約1時間ぐらいで到着します。
◆ 少しずつ色づく周辺の山々を眺める
藻琴山の登山道は、阿寒摩周国立公園内にある他の摩周岳(カムイヌプリ)や雌阿寒岳・雄阿寒岳と同じように低木のハイマツ林がしばらく続きます。このハイマツの松ぼっくりが大好きな鳥が「ホシガラス」。秋の早朝、ハイランド小清水725周辺では、目視できる距離でたくさんのホシガラスたちがせっせと松ぼっくりと食べている姿に出会います。
ホシガラスは、高山帯でしか見ることができない鳥で、登山者には身近な鳥です。
◆ 秋の気配を感じながら登山道を歩く
登山口から9合目までは、登り坂を15分ぐらい登っていると到着します。登りが続くのは9合目付近まで。その後は、林の合間から見える日本最大のカルデラ湖である屈斜路湖を右側に眺めながら、稜線沿いを歩いていきます。藻琴山で紅葉が始まるのは9月中旬頃。ところどころ紅葉する樹林が秋の風情を醸し出します。
10月に入ると、山麓に多いダケカンバが黄色く紅葉を始めるので、山全体が黄色く色づいてきます。
◆ 登頂のご褒美は、360度のパノラマ
途中にある切り立った岩「屏風岩」までたどり着いたら頂上はあと少し。山頂は、達成感とともに360度の大眺望が待っています。屏風岩から頂上までは10分ほど。
南側には屈斜路湖、その奥には雄阿寒岳と日本100名山である雌阿寒岳。遠く釧路の先に広がる太平洋が見えることも。
北側は、オホーツク海とその海岸沿いに広がる網走市や小清水町。そして、日本100名山の斜里岳から世界自然遺産の知床半島と知床連山が見通せます。
屈斜路湖をぐるっと囲む外輪山のひとつである藻琴山は、夏の間は霧が発生しやすい場所です。爽やかな時期に登るなら9月から雪が積もるまでの10月中旬頃までが狙い目です。(写真は霧に覆われた登山道)
◆ 登山をせずに、藻琴山を堪能するには?
ちょっと体力的に、時間的になど様々な理由で登山が無理という方は、「ハイランド小清水725」の裏側に設けられた100mほどの遊歩道に足を向けてみましょう。展望台までものの3分もかかりません。遊歩道の先には展望台が設けられており、屈斜路湖をより身近に感じることができます。この展望台で爽やかな秋風に身を任せてみるだけでも、藻琴山を十分に楽しんだと言えるでしょう。
展望台から見える日本最大のカルデラ湖である屈斜路湖。周囲57kmで、北海道ではサロマ湖に次いで2番目の大きさ。
運が良ければ遊歩道の途中で、エゾリスに会えるかも。(この写真はハイランド小清水725に遊びにきていた時の様子)
風が冷たくなる秋。寒さを感じたら、レストハウスで暖まりましょう。
◆ 藻琴山登山をする際に
* 初心者でも登りやすい山ですが、履きなれた登山靴や温かい服装、非常食や飲料など、十分な準備をして登りましょう。* 入山の際は、必ず登山届にご記入ください。
* 「ハイランド小清水725」の9月の営業時間10:00~17:00、10月の営業時間は10:00~16:00となり、11月より翌4月までは休館します。
* 道道587号線は、11月上旬頃から翌4月までの積雪期間は通行止めになります。